「マタニティブルー」と「産後うつ」の違い―涙が止まらないのはなぜ?

タイプ別│ママの心の整え方

はじめに

こんにちは。助産師 はぐ∞いろです。

産後、理由もなく涙が溢れてきたり、急に不安でたまらなくなったりすることはありませんか?

周りからは「おめでとう」と言われるのに、心はちっとも晴れない。

そんな自分を「母親失格だ」と責めてしまうママたちが本当に多いのです。

特に、よく耳にするのが「マタニティブルー」と「産後うつ」

この2つ、実は「辛さの度合い」の違いではなく、全く別の「メカニズム」で起きています

その違いについて詳しく説明していきます。

マタニティブルー

産後3~10日頃に現れる情緒不安定な状態を指します。

  • 原因:妊娠中にピークだったホルモンが、出産を機にガクンと急落することで脳がパニック状態になる。ホルモンの乱高下による一時的な「生理現象」です。
  • 主な症状:涙もろくなる、イライラする、気分の浮き沈み、不安、眠れない。
  • 期間:通常は10日ほどで、ホルモンが落ち着くとともに自然に改善します。
  • 対処方法:休息して様子を見る。

ここで大切なのは、「マタニティブルーだから症状が軽いわけではない」ということです。

例え、一時的なものであっても、その瞬間に感じている絶望感や「消えてしまいたい」と思うほどの悲しみは本物です。

決して「よくあることだから」と、あなたの「つらさ」を過小評価しないでくださいね。

産後うつ

産後数週間~数か月以内に発症し、2週間以上症状が続く状態です。

  • 原因:産後のホルモン変化に加え、蓄積した睡眠不足や疲労、環境の変化、そして「完璧にやらなきゃ」などの心理的重圧が重なって起こります。
  • 主な症状:強い絶望感、自分を責める(自責感)、不眠、我が子を可愛いと思えない、何をやっても楽しくない(虚無感)、理由もなく強い恐怖や不安に襲われる、希死念慮、食欲不振
  • 期間:数か月以上に及ぶことも珍しくない。
  • 対処方法:迷わず専門医や相談機関へ。

産後うつは「病気」です。

根性や気合で治るものではありません。

カウンセリングや薬の助けを借りて、じっくり治していく必要があります。

違いを見分ける「3つのチェックポイント」

自分が今、どっちなのか、不安になりますよね。私はいつもこの3つを基準にお話ししています。

  1. 期間はどのくらい?

涙が止まらないなど、自分が辛いと思う症状が、2週間以上続いていませんか?1か月経っても苦しさが変わらない、あるいは悪化しているなら「産後うつ」のサインかもしれません。

 2.「喜び」を感じる瞬間はある?

マタニティブルーの場合、泣いていても赤ちゃんの顔を見て「可愛い」と思えたり、ご飯を食べて「美味しい」と感じる瞬間や「心から笑える」瞬間が混ざっています。産後うつの場合、どんな時も心が沈み、無機質な感情を抱えています。

 3.眠れていますか?

「赤ちゃんは寝ているのに、自分だけ眠れない」という不眠症状が長く続く場合は、脳が極限の興奮状態にあります。これは一刻も早く、メンタルクリニックの受診をお勧めします。

最後に

「マタニティブルー」でも、「産後うつ」でも。

あなたが今、暗闇の中にいるなら、それはあなたが「一生懸命に命と向き合っている証拠」です。

「マタニティブルーだから、この辛さは仕方がない」なんて、思わなくていい。

そして、「産後うつかもしれない」と感じることは、とても勇気がいることです。

でも、早めに気づいて誰かを頼ることは、あなた自身と赤ちゃんを守るための、立派な「育児」のひとつです。

専門家や周りの力を借りることは、決して恥ずかしいことではありません。

もし、心が苦しくて動けなくなったら、まずは頑張っているあなた自身を、そっと「ハグ」してあげてください

辛いときは「辛い」と言っていいし、泣けてしまう時には思いっきり泣きましょう

1人で抱え込まず、周りのご家族やお友達、私たち助産師、保健師、専門医などの専門家を頼ってくださいね。

あなたは、ひとりじゃない。

── 助産師 はぐ∞いろ

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